1歳~10歳の成猫におすすめしたいキャットフードと選び方のポイント

キャットフード博士
今回は1歳から10歳までの成猫におすすめのキャットフードと、成猫用キャットフードを選ぶ時にチェックしたい3つのポイントをご紹介します!

加奈子
え、「成猫用」ってやつをあげていればいいんじゃないんですか??
わざわざ特別なのを買わなきゃいけないの?
小太郎
加奈子ちゃん、「わざわざ」って…。
別に特別なご飯を選ばなくてもいいけど、僕たちは1歳で体の成長がほとんど止まるニャ。
そうすると太り易くなるから、太りにくいフードの方がいいんだニャ!去勢・避妊手術をした子は特にね!?

成猫用のキャットフードを選ぶ時に大切な3つのポイント

ここでは成猫用キャットフードの選び方として大切なポイントを3つにまとめました。冒頭でまとめたように、1歳以降の成猫は急激な体の成長も止まり太り易くなります。その為、「太りにくいキャットフード」を選ぶ為のポイントを3つご紹介します。

成猫には高たんぱくなキャットフードがおすすめ

肉食動物である猫にとって、たんぱく質は最も大切な栄養素です。高たんぱくなフードは筋力維持に欠かせません。筋肉は基礎代謝を上げ、太りにくい体を維持するのに欠かせません。

風味などは最初の一口を食べるかを左右しますが、 最終的には高たんぱくな食事を好んで食べる ことも分かっています。※1 また、高たんぱく食は猫の 「おしっこの増加」・「尿pHを酸性化」し、ストルバイトを結晶化しにくくする という実験もあります。※2

猫は一生に一度は尿路結石にかかると言われるほど発症率の高い病気です。中でも発症率の高いのがストルバイト結石です。肉食動物ということを考えても、高たんぱく食は猫にとって理想的な食事と言えます。

但し、腎機能が低下している子はたんぱく質制限が必要となります。尿路結石を患っている子も同様に、まずは治療に専念する必要があります。素人判断でフードを切り替えたりせず獣医の指示に従って下さい。

成猫には低炭水化物なキャットフードがおすすめ

猫の好物とされるネズミの栄養構成は、たんぱく質が約55%・脂質が約38%・炭水化物が約1%と言います。ネズミなどを食べている野生の猫の炭水化物摂取量は2%という資料もあります。

さらに、炭水化物の含有量が40%を超えると下痢やおならを増加させるという資料もあります。猫は「高炭水化物の食事」と「高たんぱく質の食事」を与えた実験では、「高炭水化物の食後にもっともインスリンレベルが高くなった」と言います。※3

これは炭水化物が高い食事は糖尿病の原因となる可能性があるということです。猫本来の食事を考えれば、炭水化物は低いものを選んだ方が良いでしょう。

キャットフードに含まれる炭水化物の求め方
100-(たんぱく質+脂質+繊維質+灰分+水分)=おおよその炭水化物の割合

成猫には低カロリーなキャットフードがおすすめ

1歳未満の子と比べると、1歳を迎えた成猫は太り易くなります。その為、カロリーにも配慮してあげましょう。低カロリーなフードはたくさん食べても太りにくいので、食欲旺盛な子に向いています。

肉や魚をたくさん使った高たんぱく・高脂質なフードは、カロリーは高くなりますが消化が良く、満腹感を得やすいので食べすぎの予防におすすめです。カロリーが高くても、飼い主側でしっかりと給餌量をコントロールできていれば問題ありません。

猫が好きなタイミングで食べられるよう、常にお皿にキャットフードを入れっぱなしにしている場合、100g辺り360㎉を基準にその子の食欲や体型に合わせて、カロリーが高め・低めなフードを選んであげると良いでしょう。

ちなみに、骨格によって適正体重は変わるので、体重だけで肥満のチェックはできません。「BCS(ボディ・コンディション・スコア)」を元に、理想体型を維持できているかチェックしてみましょう。

成猫におすすめのキャットフードを3つのポイントで比較!

メーカー名 たんぱく質 炭水化物 カロリー(100g辺り)
モグニャン 30.0% 38.0% 374㎉
カナガン 37.0% 19.21% 390㎉
シンプリー 37.0% 25.0% 380㎉
ファインペッツ 32.0% 29.7% 427.2㎉
ねこはぐ 28.5% 40.5% 383㎉
ジャガー 40.0% 21.0% 384㎉
 ファーストチョイス 31.0% 32.9% 326㎉
ロイヤルカナン 25.0% 44.5% 375㎉
サイエンスダイエット 29.0% 39.5% 314㎉
ナチュラルチョイス 33.0% 26.5% 380㎉
メディファス 31.5% 34.0% 380㎉
 アイムス 32.0% 31.5% 388㎉
ピュリナワン 38.0% 27.5% 330㎉
 ナチュラルバランス 34.0% 36.0%※ 365㎉
アーテミス 30.0% 37.0%※ 392.2㎉
カントリーロード 35.0% 25.0% 380㎉
シーバ 30.0% 26.5% 405㎉
セレクトバランス 30.0% 30.5% 375㎉
コンボ 27.0% 40.5% 350㎉
ソリッドゴールド 34.0% 41.0%※ 352㎉
フリスキー 30.0% 34.5% 339㎉
キャラットミックス 27.0% 45.5% 330㎉
銀のスプーン 30.0% 34.0% 400㎉
ねこ元気 30.0% 42.5% 350㎉
ミオ 27.0% 32.4% 350㎉
カルカン 32.0% 42.5% 365㎉
ビューティープロ 35.0% 32.4% 340㎉
モンプチ 32.0% 29.5% 338㎉
懐石 27.0% 37.5% 330㎉
オリジン 40.0% 19.0% 406㎉
ブルーバッファロー 30.0% 33.5% 327㎉
アズミラ 30.0% 38.5% 342.5㎉
ドクターズケア 24.2% 35.0% 423㎉
JPスタイル 27.0% 35.0% 360㎉
ドクターズダイエット 31.0% 34.0% 361㎉
アカナ 37.0% 22.5% 408㎉

※、灰分・水分・繊維のいずれかが不明

成猫用のおすすめキャットフードランキング

カナガンキャットフード

無高たんぱく&低炭水化物で良コスパの定番キャットフード

カナガンキャットフードは高たんぱく&低炭水化物で成猫におすすめのコスパが優れたキャットフードです。人間も食べられる高品質の動物性食材を70%も使用しているので、消化にも優れます。他メーカーでも動物性材料が豊富なフードはありますが、値段が高くて使いにくいものが多い中、品質・安全性・コスパに優れる嬉しいキャットフードです。

価格 【通常価格】3,960円/1.5㎏
総合評価
備考 高たんぱく/低炭水化物/人間も食べられるヒューマングレードの食材/人口添加物不使用
1㎏あたりの価格 高たんぱく 低炭水化物
2,640円 37.0% 19.21%
カロリー 酸化防止剤 着色料
390㎉ ミックストコフェロール(ビタミンE) 不使用
保存料 香料 ライフステージ
不使用 不使用 全ライフステージ対応

カナガンキャットフードに使われるチキンは人間も食べる部分だけを使っています。市販のキャットフードとは違い、副産物などは使っていないので安心して食べさせることができます。また、炭水化物の多い穀物なども不使用です。ややカロリーが高めなので、しっかりと給餌量をコントロールしてあげて下さい。

ジャガーキャットフード

高たんぱく&低炭水化物だけどちょっと割高なキャットフード

ジャガーキャットフードはオリジンと同クラスの超高たんぱくフードです。炭水化物も21%と、市販のフードと比べると十分低炭水化物なので、成猫におすすめのキャットフードです。ただ、1位のカナガンと比べると少し割高になっています。全体の80%が動物性食材なので、カナガンよりも高いですが材料費がかかっています。値段と質に納得できる方におすすめです。

価格 【通常価格】4,280円/1.5㎏
総合評価
備考 超高たんぱく/低炭水化物/全体の80%が肉と魚/人間が食べられるヒューマングレードの食材
1㎏あたりの価格 高たんぱく 低炭水化物
2,853円 40.0% 21.0%
カロリー 酸化防止剤 着色料
384㎉ ミックストコフェロール(ビタミンE) 不使用
保存料 香料 ライフステージ
不使用 不使用 全ライフステージ対応

全体の8割が肉と魚からできてきるジャガーキャットフードは、もちろん炭水化物源となる穀物は不使用です。少し匂いがキツイので飼い主さんは苦手な方がいるかもしれませんが、猫にはたまらない香りです。

ピュリナワンキャットフード

ピュリナワンなら新発売のグレインフリーがおすすめ!

当サイトでは「避妊・去勢した猫の体重ケア」をレビューしました。こちらも成分的には高たんぱくで成猫におすすめのキャットフードです。ただ、米やトウモロコシといった炭水化物源を使っているので、新しくでたグレインフリーがおすすめです。また、ピュリナワンは1袋500円のお試しキャンペーンを行っています。この機会に新発売のグレインフリーを試してみると良いでしょう。

価格 【通常価格】1,880円/1.6㎏ 【30日分が500円のお試しキャンペーン中】
総合評価
備考 高たんぱく/市販の中では低炭水化物/グレインフリーが新発売
1㎏あたりの価格 高たんぱく 低炭水化物
1,175円(定期なら930円) 38.0% 27.5%
カロリー 保存料 穀物不使用
330㎉ 不使用 グレインフリーもあり
保存料 香料 ライフステージ
不使用 不使用 各ライフステージ別
ピュリナワンはランキング内のフードではかなりコスパに優れたキャットフードです。ただし、他のフードとは違い「ヒューマングレードの食材」は使っていません。粗悪な副産物こそ使っていませんが、安いので軟骨なども含んだ家禽ミールを使用しています。

オリジンキャットフード

成分的には最も成猫に適したキャットフード

オリジンキャットフードは最も高たんぱく&低炭水化物です。ただ、価格も最も高いです。成分的には太り易い成猫に最もおすすめですが、オリジンをメインに食べ続けるのは金銭的に難しいかもしれません。また、かなり高カロリーなので飼い主側でしっかりと給餌量のコントロールが必要なフードでもあります。

価格 【通常価格】6,300円/1.8㎏
総合評価
備考 超高たんぱく/低炭水化物/ヒューマングレードの食材/人口添加物不使用/高カロリーなので注意
1㎏あたりの価格 高たんぱく 低炭水化物
3,500円 40.0% 19.0%
カロリー 酸化防止剤 着色料
406㎉ ミックストコフェロール(ビタミンE) 不使用
保存料 香料 ライフステージ
不使用 不使用 全ライフステージ対応

当サイトでは「キャット&キティ」をレビューしましたが、オリジンには低カロリーな「フィット&トリム」もあります。ただ、オリジンの中では低カロリーというだけで、100g辺り375㎉は一般的には低カロリーとは言えません。その為、給餌量には注意が必要です。

アカナキャットフード

オリジンに次ぐ高品質・成分のキャットフード

アカナのキャットフードは高たんぱく・低炭水化物なので成猫におすすめのキャットフードと言えます。ただし、オリジン同様に高カロリーなので飼い主で給与量の調節が必要です。高品質なヒューマングレードの食材を使用し、全体の75%が動物性食材です。良いフードではありますがやはり値段が高めです。

価格 【通常価格】6,264円/1.8㎏
総合評価
備考 高たんぱく/低炭水化物/グレインフリー(穀物不使用)/高カロリーなので注意
1㎏あたりの価格 高たんぱく 低炭水化物
3,480円 37.0% 22.5%
カロリー 酸化防止剤 着色料
408㎉ ビタミンEとローズマリー 不使用
保存料 香料 ライフステージ
不使用 不使用 全ライフステージ対応

アカナキャットフードはオリジンとは違い、低カロリーフードがありません。楽天やアマゾンだと、オリジンよりも安く購入できるので値段的にはおすすめなんですが、1日の給餌量をしっかりとコントロールできない家庭には向きません。

成猫用キャットフードでよくある質問FAQまとめ

ここからは成猫用キャットフードについて、よくある質問をまとめました。あなたが知りたかった質問も含まれているかもしれないので、是非チェックしてみて下さい。

「成猫用」と「子猫用」キャットフードの違いは?

AAFCOの栄養基準 成猫用 子猫用
たんぱく質 26.0% 30.0%
脂肪 9.0% 9.0%
カルシウム 0.6% 1.0%
マグネシウム 0.04% 0.08%

上記は日本でも採用されているAAFCO(アメリカでペットや家畜の栄養基準などを作っている協会)のキャットフード用に作られた最低の栄養基準です。上記以外に40種類以上の必須栄養素に基準があります。

これらの最低基準をクリアしたフードは「水とフードだけで健康を維持できる総合栄養食」として販売できます。これを見ると、 成猫の方が必要とする栄養が少ない ことがわかります。

AAFCOの栄養基準ではカロリーに対する基準はありません。ですが「総合栄養食」と書かれているフードでは、基準を満たす為に子猫用の方がカロリーが高めに作られています。

これは、成猫と比べて1度に食べられる量が少ない子猫の為に、1粒で十分な栄養を吸収できるように作られている為です。その為、「獣医から痩せすぎ」と言われる子なら、成猫であっても子猫用フードを食べさせることもあります。

成猫に子猫用(キトン)キャットフードをあげても大丈夫?

成猫が子猫用のキャットフードを食べた時に心配なのは肥満だけです。というのも、前項でも書いたように、キトン用の方が成猫用フードよりも栄養価が高く作られています。カロリーを考慮せずに成猫用フードと同量をあげると成猫にはカロリーオーバーとなる可能性があります。

「痩せ気味」・「小食」・「偏食気味」の成猫には子猫用フードをおすすめしますが、食欲旺盛で量をたくさん食べたい子にはおすすめできません。食べたいだけあげたら確実に太りますし、量を調節してあげると満足できずにお皿の前で要求鳴きをされるでしょう。

ただ、子猫が成猫用のフードを食べる場合、栄養不足となる可能性があります。1食程度なら問題ありませんが、子猫が成猫用フード(特に低カロリーフード)を常食するのはおすすめしません。

 別室で子猫にだけキトンフードをあげる など、子猫にはきちんと栄養価の高いフードを食べさせてあげましょう。

成猫にあげるキャットフードの量ってどれくらい?

体重(㎏) ケース1 ケース2 ケース3
2 165㎉ 141㎉ 118㎉
2.5 196㎉ 168㎉ 140㎉
3 224㎉ 192㎉ 160㎉
3.5 252㎉ 216㎉ 180㎉
4 277㎉ 237㎉ 198㎉
4.5 303㎉ 260㎉ 217㎉
5 329㎉ 282㎉ 235㎉
5.5 352㎉ 302㎉ 252㎉
6 376㎉ 322㎉ 269㎉
6.5 399㎉ 342㎉ 285㎉
7 422㎉ 362㎉ 302㎉
7.5 445㎉ 381㎉ 318㎉
8 466㎉ 399㎉ 333㎉
8.5 488㎉ 418㎉ 349㎉
9 509㎉ 436㎉ 364㎉
9.5 530㎉ 454㎉ 379㎉
10 551㎉ 472㎉ 394㎉
10.5 572㎉ 490㎉ 409㎉
11 592㎉ 507㎉ 423㎉
11.5 613㎉ 525㎉ 438㎉
12 632㎉ 542㎉ 452㎉
各ケースに該当する猫の条件
  • ケース1:避妊や去勢手術をしていない1歳以上の成猫・増量中の猫
  • ケース2:避妊や去勢済で1歳以上の成猫・増量中の猫
  • ケース3:肥満気味の猫

上記はDER(1日あたりの必要エネルギー量)という数式を使って計算した、「体重と猫の状態別の一日に必要とするカロリー量」一覧の表です。

使い方としては該当する体重・ケースに当てはまる「必要カロリー量(上記の表)÷フードのカロリー(パッケージに記載の代謝エネルギー)×100」で 1日にあげる目安量が計算できます。 

例1、体重8㎏でケース4の子にカナガンキャットフード(390㎉/100g)をあげる場合

266÷390×100=68g

例2、体重3.5㎏でケース2の子にモグニャンキャットフード(365㎉/100g)をあげる場合

216÷365×100=59g

キャットフードのパッケージやメーカーの公式サイトに書かれている給餌量は、理想体型の時に必要とする量を体重別に記載していケースが多いので注意が必要です。また、DERを用いた場合も体重だけを元に計算しています。理想体型を維持できているかは「BCS」でチェックが必要です。

上記を元に、一度フードをあげてみて、翌日うんちの状態をチェックして下さい。うんちは食べすぎると軟便に、少ないと硬くなる傾向があります。うんちの状態を見ながら1日あたり1%程度を調節していきます。

最終的にうんちを指で持った時に、「うんちに指の跡が付くか付かないか」くらいのベストな硬さになるよう調節して下さい。

まとめ

ここでは1歳~10歳までの成猫におすすめのキャットフードと、選び方についてまとめました。1歳以降は太り易いという、一般的な猫に多い特徴を元にしています。同じ1~10歳でも痩せ気味の子には高たんぱく・高カロリーなフードを選んであげて下さい。

引用文献

※1、Balancing macronutrient intake in a mammalian carnivore: disentangling the influences of flavour and nutrition

Impact of macronutrient composition and palatability in wet diets on food selection in cats

※2、ネコにおける高蛋白食給与が尿中ストルバイト結晶数ならびに尿不溶性有機成分濃度に及ぼす影響-ペット栄養学会誌,第4巻(第1号):7-12,2001

※3、Metabolic response to three different diets in lean cats and cats predisposed to overweight-Keller et al. BMC Veterinary Research (2017), 13:184 DOI 10.1186/s12917-017-1107-3

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