マンチカンがかかり易い病気を足長・耳折れなどタイプ別に紹介

キャットフード博士
ここではマンチカンのかかり易い病気を「足長・短足」や「耳折れ」、「長毛・短毛」など各タイプ別に紹介していきます。
基本的にはマンチカンが特別気を付けなければいけない病気はありません。
マンチカンを飼おうと思っている方は参考にしてみて下さい。
加奈子
へー、ずっとヘルニアになり易いって言われてたけどそんなことなかったんだー!
小太郎
けど耳折れの「スコマンチ」は気を付けた方が良いみたいにゃ。

 

足長のマンチカンがかかり易い病気・気を付けたい遺伝病

マンチカンはよく「ヘルニア」や「関節疾患」にかかり易い種類として紹介されることが多いですが、それはダックスフンドやコーギーなど、短足の犬がこれらの特定の病気にかかり易い為です。なので足長のマンチカンであれば、 「ヘルニア」や「関節疾患」を心配する必要はありません。 

 

但し、足長だからといってヘルニアや関節疾患にならない訳ではありません。他の猫と同じように歳を重ねるごとに関節疾患のリスクはあがっていくので、シニア期に入ったら定期的に健康診断を受けましょう。あとは足長のマンチカンの中にも長毛と短毛の子がいるので、長毛の子は毛球症に気を付けるくらいです。

 

短足のマンチカンがかかり易い病気・気を付けたい遺伝病

短足のマンチカンはよく「椎間板ヘルニア」にかかり易いとして紹介されていますが、これを証明するデータや実験結果はありません。同じように短足が特徴のダックスフンドなどの犬の場合、2013年の調査によって、「小型」・「胴が長い」・「太っている」といのがヘルニアを後発させる3大要素として発表されました。

 

また、犬と違って猫は我慢強いのかあまり「足を引きずる仕草」を見せません。しかし2000年に行われた調査では、関節疾患以外の病気で診察した際に12歳以上・100頭のうち9割が関節疾患のきざしがあったと発表されています。

 

つまり短足のマンチカンに限らず、 加齢に伴ってほとんどの猫種が関節疾患のリスクがあるということが分かりました。 但し、短足の犬とマンチカンの短足はそれぞれ同じ「軟骨異形成」という遺伝疾患が原因であることが分かっています。

 

一部では軟骨異形成は「足の骨が正常な長さに成長しないということは、他の骨にも成長不良を抱えている可能性が高い。その為、骨に関する病気にかかり易い」と言われています。これが原因でマンチカンの品種登録が遅れました。でもコーギーやダックスフンドが好発する「脊髄の障害」はマンチカンでは少ないです。

 

短足マンチカンの病気に関する結論”

  • マンチカンは「短足&胴長の犬」のように他の種類と比べて極端に関節疾患を好発する訳ではない
  • 但し、短足の原因は同じ「軟骨異形成」なので関節疾患のリスクは否定できない
  • でも最近の研究では加齢に伴いほとんどの猫が関節疾患のリスクがあることが分かった

 

なので、他ではどのサイトも口を揃えて「マンチカンはヘルニアに注意」と書かれていますが、「マンチカンがヘルニアを好発する」という研究結果がある訳ではなく、あくまで「似た特徴の犬がよくヘルニアになる」程度の理由なので現時点ではナーバスになる必要はありません。

 

今後、短足のマンチカンの頭数が増えてデータが集まってきた際には情報が入れ替わるかもしれませんが、現時点では「噂話」程度の認識で大丈夫です。最後に、マンチカンの特徴である短足は「人間の欲求を満たす為に遺伝疾患を抱えた遺伝子を交配して作られている」ということだけ覚えておいてください。

 

長毛のマンチカンがかかり易い病気・気を付けたい遺伝病

  • 毛球症状
  • 流涙症
  • 短頭種気道症候群
  • 眼瞼(がんけん)内反症状
  • 膿皮症

 

マンチカンにはスクークムやメヌエット(ナポレオン)のように長毛の子もいます。長毛の場合気を付けたいのが「毛球症(ヘアボール)」です。グルーミングの際に飲み込んだ毛が胃や腸の中で固まってしまい、吐くことも排泄することもできなくなり「食欲不振・えづく(吐くそぶり)・便秘」などの症状が現れるようになります。

 

その為、長毛の子に関しては理想は朝晩の2回、最低でも1日1回ブラッシングをし、余計な毛を飲み込む前に処理してあげることで毛球症になるリスクを極端に減らすことができます。短毛の子と比べると長毛の子が毛球症になる確率が高いのは言うまでもありません。

 

毎日のブラッシングと合わせてラキサトーン(毛球除去剤)も使用することでさらにリスクを減らすことができるので不安な方は検討してみてはどうでしょうか?スクークム(被毛がカールしたマンチカン)は意外と抜け毛が少ないのでブラッシングもそれほど気にしなくて大丈夫です。

 

さて、長毛のマンチカンは他にも問題があります。長毛のマンチカンは「ペルシャ・ヒマラヤン・エキゾチックショートヘアー」などの血が入っていることが多く、遺伝的にもこれらの特徴でもある「鼻ペチャ」の子が生まれることがあります。(ナポレオンは鼻がつぶれていません)

 

「鼻ペシャ」のグレードにもよりますが、毛球症以外にも上記であげたような病気のリスクが付きまといます。但しこれらの病気は鼻の潰れ具合によって好発するので、ただの長毛で鼻のつぶれが気にならない子であれば気にする必要はありません。

 

短毛のマンチカンがかかり易い病気・気を付けたい遺伝病

短毛のマンチカンについては足が短ければ「2 短足のマンチカンがかかり易い病気・気を付けたい病気」を参考にして下さい。 「足長で短毛」の子については普通の雑種と考えて良い でしょう。

 

もちろん、マンチカンとしての血を引いているので子供を作ったり出産した場合、短足の子が生まれる可能性がありますが、「足長+短毛」の子は得に遺伝する病気の心配はないので、 普通の猫と同じように肥満や尿路結石に気を付けてあげれば大丈夫です。 

 

耳折れのマンチカン(スコマンチ)がかかり易い病気・気を付けたい遺伝病

垂れ耳のマンチカンは最も病気のリスクが高いと考えて良いでしょう。「スコマンチ」なんて名前を付けていかにも血統種のように販売しようとする悪質ブリーダーやショップがあります。TICA(The International Cat Association)でもマンチカンの条件として「立ち耳」があげられています。

 

これはスコティッシュフォールドやアメリカンカールの純血との交配を認めていない為です。これは「短足×短足」や「耳折れ×耳折れ」同士の交配は遺伝子上、奇形が発生する可能性が高い為です。これは目に見えるだけでなく、骨の異常なども含まれるため将来的(子孫を含む)に様々な病気のリスクが高くなります。

 

耳折れのスコティッシュフォールドは遺伝的に先天性・後天性を含めて骨に関する障害を発症するリスクが高いことが調査から分かっています。ペット保険のアニコム損保の調べでは他の種類の約3倍も骨や筋肉に関する病気が多いとしています。

 

このことから良識あるブリーダーはマンチカンとスコティッシュフォールドとの交配は行いません。そして本来あってはならない品種(交配)です。耳折れと短足(優性遺伝同士)を引き継いだスコマンチはスコティッシュフォールド以上に奇形や骨の病気を発症するリスクが高いです。

 

もしもペットショップ当で見かけた場合、以上のことを踏まえて購入して下さい。そして購入するからには医療費にかかる負担も十分に覚悟し、金銭的負担から「猫を捨てる」という愚かな行為は絶対にしないと胸に誓った上で大切に育ててあげて下さい。

 

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