猫が咳き込む・くしゃみとの違いを動画で紹介!咳の原因や危険な症状

キャットフード博士
ここでは猫の咳とくしゃみの違いを動画で紹介している他、咳の原因となる病気や症状、病院に連れていくかのポイントなどの紹介しています。
猫には「風邪」という病気はありませんが人の風邪のような症状が出る病気があります。
それらの病気は重篤なケースもあるので基本的には素人判断せず、獣医に診断してもらうことを推奨します。
加奈子
あー、猫や犬は風邪をひかないって言うわよね。
小太郎
うん、表現が難しいんだけどね。
ヒトの風邪って、咳・熱・のどの痛み・鼻水が出る病気の総称だにゃ。
僕たちもそういう症状が出る病気はあるけど、それぞれ原因がはっきりしてるんだにゃ。
だから「風邪」っていう言い方じゃなくてきちんとした病名が付いてるにゃ。

 

猫が咳き込む・くしゃみとの違いを動画で紹介


元の動画はこちら

上記の子はこの時は気管支炎だったそうで、気管拡張剤と抗生剤の投与で現在は治っているそうです。病院に行った時にタイミングよく咳をしてくれないことも多いので、スマホなどで充分なので咳をしている時の様子を動画に収めておいて相談すると獣医の診療に役立ちます。

 


元の動画はこちら 

こちらの子は逆くしゃみと診断されたようで、1日に1~2回、「フンフン」・「スンスン」といった咳のような症状が出るそうです。ただ、逆くしゃみであれば生理現象なので治ることはないということになります。

 


元の動画はこちら

「通常のくしゃみ」という意味ではこちらの動画が適切かもしれません。なんとも鼻がムズ痒い感じが伝わってきますね。見比べることでなんとなくそれぞれの違いは分かりますが、それぞれを初めて見る場合はどれがどれなのか分からない事の方が多いはずです。

 

基本的には病院で検査を受けた方が安心です。病院が苦手な子は動画をとって病院に持っていって獣医に診てもらうこともできるので、頻繁に咳やくしゃみをしているようなら動画を撮っておきましょう。

 

【こんな時は病院へ!】猫が咳をする原因と咳以外の症状まとめ

ここからは症状の中に咳が含まれる病気を紹介します。もし猫が咳をしている場合、以下で紹介するような症状が出ていないかもチェックしてあげて下さい。

 

猫ウイルス性鼻気管炎(子猫は注意)

「猫インフルエンザ」・「猫コリーザ」などとも呼ばれます。母猫から子猫への感染や、感染猫のよだれ・唾・食器の共有などで感染します。ワクチンがありますが、インフルエンザのように型があるのでワクチンを接種していても感染することがあります。

 

主な症状は「咳・発熱・くしゃみ・鼻水・食欲不振・角膜炎・結膜炎・涙の増加・目やにの増加」などです。

 

猫クラミジア感染症(子猫は注意)

猫クラミジアという細菌に感染することで発症します。人にも感染する人獣共通感染症ですが猫から人に感染するケースは稀です。5種または7種混合のワクチンで予防することができます。唾液や鼻水・涙などの体液から感染するので多頭飼いや放し飼いの場合はワクチン接種が必要です。

 

主な症状は「目やにの増加・結膜炎・鼻水・くしゃみ・咳・気管支炎・肺炎」などです。

 

猫エイズウイルス感染症(子猫は注意)

正式には「猫後天性免疫不全症候群」といいネコ免疫不全ウイルス(FIV)に感染することで発症します。一般的には「猫エイズ」と略されることが多いです。交尾・ケンカなどによる体液の接触によって感染します。こちらもワクチンでの予防が可能です。

 

主な症状は「初期で風邪のような症状・下痢など、エイズが発症すると口内炎などをはじめとする歯周病・下痢・嘔吐・かぜ・食欲不振・皮膚炎・体重減少」などです。

 

喘息

症状としては気管支炎と似ていますが、気管支炎は症状が続きますが喘息の場合は30分程度で収まります。アレルギーやアトピーによって一時的に気管支が収縮する為です。

 

主な症状は「呼吸困難(呼吸音が荒い)・咳・吐く素振りをするが何も吐かない・チアノーゼ・くしゃみ」などです。

 

気管支炎

気管支に炎症が起こっているので喘息とは違い常に症状が断続的に起こります。喘息発作の場合は症状が治まった後は何事もなかったように元気になりますが、気管支炎の場合は運動を嫌いぐったりとしているケースが多いです。

 

主な症状は「咳・咳の跡の吐く仕草・呼吸困難(呼吸音が荒い)・運動を嫌う・食欲不振・元気がない」などです。

 

肺水腫

肺に水が溜まってしまう病気で心臓病や肝硬変などを基礎疾患として発症するケースが多く、急性の場合は命に係わる怖い病気です。

 

主な症状は「咳・よだれ・吐く仕草が増える・呼吸困難」などがあります。

 

咽頭炎

喉にある咽頭という部分に炎症が起こる病気で鼻炎や口内炎が原因で起こったりします。人間だと唾を飲み込むのも痛いような状態で食事も満足に取れなくなります。

 

主な症状は「咳・食欲の低下・鳴き声の変化・呼吸困難・吐く仕草が増える・よだれ・首のリンパが腫れる」などです。

 

トキソプラズマ

人にも感染する人獣共通感染症です。通常は感染してもそれほど目立った症状は現れませんが、免疫力が下がってくると(子猫や老猫・病気など)嘔吐や下痢などの症状が出ます。

 

主な症状(免疫低下時)は「咳・嘔吐・下痢・呼吸が苦しそう・熱・血便・食欲低下」などがあります。

 

食道アカラシア(巨大食道症または食道拡張症)

食道で食べ物が詰まってしまった状態を「食道アカラシア」、それが原因で食道の一部が広がってしまった状態を「巨大食道症または食道拡張症」といいます。食べ物をうまく胃に送ることができないので食べても直ぐに吐いてしまったりします。

 

主な症状は「よだれ・咳・体重減少・嘔吐・息が荒い・熱・肺炎」などです。

 

心筋症

心臓の筋肉が厚くなったり収縮・拡張したりして心臓の動きが低下し、血液を正常に送れなくなってしまう病気です。

 

主な症状は「元気がない・食欲不振・咳・息が荒い・おなかが膨らむ・運動を嫌う・疲れやすい」などです。

 

先天性心疾患

生まれた時から何かしら心臓に奇形がある病気です。種類や程度によっては症状が出ないこともありますし、生まれてから短時間で無くなってしまうこともあります。

 

主な症状は「咳・息が荒い・元気がない・疲れやすい・チアノーゼ・食欲不振」などです。

 

リンパ腫

リンパ球という白血球の一種がガン化してしまう病気です。腫瘍ができる場所によってタイプや症状が異なります。

 

主な症状は「咳・元気がない・疲れやすい・嘔吐・チアノーゼ・食欲不振・てんかん発作・下痢・息が荒いなどです。

 

膿胸

胸膜が細菌感染し膿が溜まってしまう病気で、事故や猫同士のケンカによる胸部の外傷や誤飲などが原因で起こります。

 

主な症状は「咳・息が荒い・元気がない・疲れやすい・40℃ほどの高熱(初期)・食欲不振」などです。

 

回虫症

回虫症にかかっている猫の糞を食べてしまう・糞を食べたネズミやウサギを捕食した場合に寄生される細長い虫で、人間の赤ちゃんが誤って食べてしまった場合も感染します。

 

主な症状は「食欲不振・腹痛・咳・成長不良・体重減少・貧血・下痢・嘔吐」などで、下痢や嘔吐の際に回虫が混じることがあります。

 

肺炎

猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウイルス・細菌・糖尿病・フィラリア・誤嚥など、様々な原因で肺炎になります。

 

主な症状は「咳・吐く仕草・元気がない・疲れやすい・運動を嫌う・食欲不振・呼吸困難・発熱・鼻水・くしゃみ」などです。

 

フィラリア症

フィラリアという寄生虫が原因で起こる病気で、フィラリアに寄生されている蚊に吸血されることで感染します。フィラリアの予防薬を使用し、完全室内飼いにすることでリスクを減らすことができます。

 

主な症状は「咳・下痢・体重減少・嘔吐・寝ている時間が多い・息が荒い・食欲低下・運動を嫌う・突然死」などです。

 

猫が変な咳をする時に病院に連れていくかの基準

  • 1回の咳が3分以上続く
  • 1日に何度も咳をする
  • 咳の合間(空気を吸う時)にゼーゼーという音がする
  • 逆くしゃみが30分以上続く
  • 通常のくしゃみや毛玉を吐き出す音とは明らかに違う咳をする

 

ちなみに、一言に咳といっても色々なタイプがあります。youtubeなどを見ていると分かりますが、明らかに特徴的な咳をするケースもあればどれも似たような咳をすることもあります。また、病院で受診中に咳をしてくれれば良いんですが、それが無い場合はあなたが言葉で獣医に伝えることになります。

 

咳を言葉で表すのは難しく、人によって聞こえ方や表現の仕方が変わるので獣医に詳しく伝えるのは困難です。可能な限りスマートフォンなどを使って動画に収めておきましょう。動画を見せることでより正確な診断の約に立ちます。

 

猫の咳と「毛玉を吐く」・「嘔吐」との違いは?

猫を何頭も飼っていたり、これまでに長い間猫と暮らしている人であれば、猫の「毛玉を吐く」・「嘔吐」といった仕草と「咳」との違いはなんとなく分かると思います。ただ、初めて猫を飼う方や子猫を保護した方では「咳と嘔吐の違い」はなかなか見分けが付きません。

 

例えば気管支炎による通常の咳だったとしても炎症が酷くなり咳が激しくなると吐いたりすることもあります。また、この場で「コンコン」が咳で「クェックェッ」が毛玉を吐く時といったところで、音を言葉で表現するのってとても難しく、聞こえ方も人それぞれです。

 

前項の「3 猫が変な咳をする時に病院に連れていくかの基準」を参考に咳の長さや頻度を元におかしいと感じたら早めに受診するようにしましょう。

 

猫が水を飲んだ後に咳をするのって何かの病気なの?

猫の中には「水を飲むのが下手で咳をする」子がいます。原因はその子によってまちまちなんですが、多いのは鼻や気管に水が入ってしまい咳をするパターンです。決まって水を飲んだ後に咳をする場合、大抵このパターンなので 心配する必要はありません。 もし可能であれば以下の対策をして様子をみて下さい。

 

  • 水が入っている容器の変更:「容器の深さ」や「広さ」を変えてみて下さい。
  • 水の温度の変更:ぬるま湯が好きな子もいます。常温~人肌くらいの温度を試してみて下さい。
  • 水を飲む器を変えてみる:ポンプとフィルターで水が湧いて見えるものやハムスターが良く使うようなケージに固定できるタイプのものなど
  • 水を飲む容器の素材を変えてみる:形や大きさが同じでも素材が変わるだけで飲み方や飲む量が変わる子もいるようです。
  • 水を飲む高さを変えてみる:猫が飲む時の姿勢が変わるくらいに器を置く高さを上下(床より少し高いくらいが良い)に変えてみて下さい。

 

猫が咳をしていても元気なら放置して大丈夫?

2 【こんな時は病院へ!】猫が咳をする原因と咳以外の症状まとめ」を参考に咳以外の症状が無いかもチェックしてみて下さい。危険な咳だと多くの場合で元気が無くなります。ただ、タバコの煙やホコリ・カビなどが刺激となり気管支炎を起こしている可能性もあります。

 

元気や食欲があれば緊急性はありませんが、咳が出ているということは快適な生活を送れているとは言えません。アレルギー性の気管支炎の場合、原因の特定が難しく手あたり次第に掃除や対策をしなければいけないんですが、薬などでアレルギー反応(炎症による咳)を抑えることもできます。

 

基本的に猫が咳をするのは異常なことなので、今は元気でも明日にはぐったりして食欲が無くなるという可能性もあります。放置せずに咳の原因を調べる為にも行ける時に病院に連れていき診察を受けて上げた方が良いでしょう。

 

猫のむせるような咳・むせる仕草って危険なの?

「むせるような咳」・「むせる仕草」だけではなんとも言えません。「2 【こんな時は病院へ!】猫が咳をする原因と咳以外の症状まとめ」を参考に咳以外の症状が無いか確認してみて下さい。「むせる」といった言葉も人によって表現や意味合いが変わりますし、猫の「むせる」ような仕草も見る人によって感じ方が違います。

 

「1つ目の病院では喘息と言われて薬を処方されたものの症状の改善が見られず、病院を変えたら鼻炎ということで注射をされ、通院も必要ないと言われたものの症状は変わらず、また病院を変えたところ肺炎という診断を受けた」という方もいました。このケースにおいても最初から肺炎だったのか、途中から肺炎になったのかも分かりません。

 

ただ、獣医であっても誤診があるので素人判断は危険と言わざるを得ません。脅すつもりはありませんが、一度病院で検査を受けることをおすすめします。また、上記のような例もあるので症状の改善が見られない場合は別の病院も受診してみて下さい。

 

猫が寝起きに咳やくしゃみをするのって異常?

普通ではないので早めに受診することをおすすめします。色々な原因が考えられますがフィラリアや気管支炎・猫カゼなど「2 【こんな時は病院へ!】猫が咳をする原因と咳以外の症状まとめ」を元に寝起きの咳以外に似たような症状が出ていないかもチェックしてみて下さい。

 

下痢の症状もあると急速に体力を奪われることもあるので出来るだけ早めに受診しましょう。「7 猫のむせるような咳・むせる仕草って危険なの?」のようなケースもあるので一つの病院で「分からない」と言われたら別の病院でも診て貰った方が良いでしょう。

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